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雪道運転テクニック Snow-covered road driving technique
 たいそうなタイトルですが、ポイントを紹介します。雪道運転は、雪国の人にとっては当たり前でしょうが、九州人は雪に慣れていません。私も九州人ですが、8年間スキードライブしてわかったことや体験をひとこと。(2003.1.4)
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 ■準備編
1. バッテリー 寒いとエンジンがかかりにくくなります。バッテリー液を確認しましょう(2003.1.4)。また、古いバッテリーは新しいのに交換するのがお薦めです。
2. チェーン チェーンは必携です。凍結路面はスタッドレスタイヤでも滑ります。高速道路の「チェーン規制」は、スタッドレスタイヤでOKの場合がありますが、チェーンを装着しなければならない場合もあります。
【経験】私は実際にスタッドレスタイヤの上からチェーンを巻かされたことがあります。
チェーン装着には、腕までカバーするタイプの手袋(チェーン装着用)と夜間用懐中電灯があったら良いでしょう。ジャッキはすぐ取り出せる所に置いておくのが良いです。
【経験】私は過去、ジャッキを一番底に置いたままで荷物全部を外に出したことがあります。大変でした。気をつけましょう。
3. タイヤ 溝が減っていたら交換時期でしょう。冬用にスタッドレスタイヤはお勧めです。ただし、スタッドレスタイヤは通常3年程度が適正使用期間のようなので交換が必要です。たとえ溝があってもゴムが硬化し劣化するので、それ以上の使用はやめましょう。
【経験】古いスタッドレスタイヤは私の場合、夏場使用しています。お勧めではありませんが。スタッドレスタイヤの夏場使用では、消耗は早く、路面接地音はやや大きいです。濡れた路面などでは、グリップ力がやや弱いので十分に安全運転に注意して走行しています。
4. ウォッシャー液 ウォッシャー液の噴出口が凍ると前が見えずに危険です。冬前は凍結温度の低いウォッシャー液を原液で入れましょう。
【経験】ウォッシャー液が出ないことが過去に数回ありました。かならず冬になる前に対応しておきましょう。
5. カギ穴 ドアのカギ穴が凍る場合があるようです。 事前に潤滑剤を吹きかけておいたら凍りにくいようです。
6. 推奨品 ・スコップ:雪をかき分けて脱出するときに便利(かなり効果的)
・牽引ロープ:いざというときに助けて貰えます。また助けてあげられます。(常時搭載推奨)
・ブースターケーブル:バッテリー上がりのときに使います。(常時搭載推奨)
・解氷剤やスクレーパー:窓に固まった氷を素早く剥がせます。
・外気温度計:路面がブラックバーンと呼ばれる状態のとき、濡れているか凍結している(摂氏0度付近以下)か、少し目安になります。後付けで取付けられる製品があります。最初から車に付いていたら、適時外気温度を確認しましょう。
 ■走行は、急ハンドル急ブレーキをしない!
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この一言につきるかも知れません。

急ブレーキをしないためには、車間距離をあけ、エンジンブレーキを使う事です。

急ハンドルをしないためには、徐行し、ハンドルをゆっくり回す事です。雪道では「送りハンドル」が効果的な面もあります。

なお、カーブ中にブレ−キを踏むのは雪道ではとても危険なので、カーブに入る前に十分減速しましょう。
 ■登り下りの注意点
FF車の場合、登りは強いのですが、下りは弱いので要注意です。登りのままのスピードで、下りに入ると曲がりきれないこと(アンダーステア)があります。下りは登りよりゆっくり進みましょう。
FR車の場合、登りは弱く、タイヤが空廻りして登れないことがあります。下りはスピンに注意。平坦な路面でも、FR車はスピンしやすいので、気を付けましょう。
【面白見聞】FR車で登りが滑るのでトランクに人が乗って登っている車を見たことがあります。面白いけど、ある意味やるヤツ。

四輪駆動車の場合、登りも下りも強いですが、限界を超えると横になったまま滑りますので、スピードオーバーに注意。車が重たい分、滑ったら止まりにくいので特に注意。

下りではエンジンブレーキを多用します。極端に言うと、フットブレーキを一切使わずにエンジンブレーキだけで走行するくらいの心構えで運転します。AT車の場合、エンジンブレーキが効きにくいので、LOWレンジまでシフトダウンすることがあります。AT車でも素早いギアワークを練習しておいた方が良いと思います。
 ■四輪駆動車:4WD の注意点
四輪駆動車(以下四駆)でも過信は禁物です。 スキードライブしていると、事故のほとんが四駆だったりします。 渋滞に耐えきれず横道に入って埋まったり、無理な追い越しをかけてスピンしています。
四駆でも周囲の車と歩調を合わせて運転すべきでしょう。また、重い車はいったん滑るとなかなか止まらないので、より注意が必要です。さらにタイヤが太いと深雪では滑りやすいので、気をつけなければいけません。
雪道はタイヤの細い軽い軽自動車の方が有利なのです。重たい四駆は雪道は気をつけなければなりません。 本格四駆は、雪道においては、坂が登れること、エンジンブレーキが4輪とも効くところが良いところです。

【面白見聞】雪の少ない道、スキー板を取り付けた四駆でチェーンを4本巻いて走っている車を見かけたことがあります。 用心深くて悪くはありませんが、 四駆の場合でもチェーンは前か後ろかどちらかです。車によって前か後ろか指定されています。
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ただし、
JAFなどが救援に行く場合、
事故車をウィンチなどで引っ張る事が多いので、タイヤ4本全部にチェーンを巻くことはあります。
 ■雪道は4WDでなければならないか?
そんなことないと思います。冬の北海道を5日間ドライブしましたが、レンタカーの2WDで十分でした。タイヤは比較的新しいスタッドレスを履いているようでした。まあレンタカーだから古いタイヤはあり得ないでしょう。なお、雪道はスタッドレスかチェーンのどちらかを履くことを前提としています。
ではスタッドレスを履いていれば4WDは不要か。予算に余裕があれば4WDの方がほんの少し有利でしょう。もちろん4WDにもスタッドレスを履く前提です。差は、過信は禁物ということで「ほんの少し有利」とさせていただきます。4WDは万能ではありません。4WDでなければ行けないような雪道は行かない方が良いです。その帰りは気温や路面がどうなっているか分かりません。
家が坂の上にあって家に帰るためとか、安心のために4WDとかは頷けます。
 ■ABS装着車の注意点
ABS(アンチ・ロック・ブレーキング・システム)は、ブレーキを踏んだときのタイヤのロックを防ぎ、 車がスリップしないで、ハンドル操作が思うようにできるための安定重視システムです。 決してブレーキが良く効く意味ではありませんので、認識違いをしないこと。
 ■横滑り防止装置
横滑り防止装置と言うのがあり、呼び名はメーカーによってさまざまです。ASC,DSC,DSTC,ESC,ESP,PSM,VDC,VDIM,VSA,VSCなどと呼ばれます。 これは、路面がすべりやすい状況でも安全な旋回を実現し、車両姿勢を立て直す装置で、事故を軽減するものです。 安全面で高い効果があり、装着車は保険の割引があるほどです。
【経験】横滑り防止装置には過去、雪道で大変助かりました。効いているのは動作ランプと挙動でわかります。
横滑り防止装置でも限界は当然ありますので要注意です。
欧州では義務化され、日本でも今後義務化されるようです(2012/1/27)。

4WDに横滑り防止装置があれば、雪道走行にスノータイヤやチェーンは不要か?
→そ、そんな無謀な。車が動いてなければ、坂で止まっていれば、車は見事にズルズル滑ります。
 ■アイスバーンの注意
アイスバーン(凍結路面)は、滑りやすいので注意しましょう。スタッドレスタイヤを履いてても、チェーンでも滑りやすい。スタッドレスタイヤの宣伝文句に「アイスバーンに強い」など謳われていますが、いわゆる「当社比」でどんぐりの背比べ程度で魔法ではありません。「チェーンはスタッドレスより滑りにくい」とか「ゴムチェーンより金属チェーンが滑りにくい」など言われますが、これらも比較論で、いずれも注意しなければならないものです。なお、チェーンの場合、チェーンを装着していない側のタイヤは全くの無防備ですから気を付けましょう。FR車は後ろにチェーンを捲くから前輪が滑ればコントロール不能になります。アイスバーンは徐行運転を心がけましょう。

ブラックバーンと呼ばれる道路状況があります。路面が濡れているのか凍結しているのか分からないのです。夜間は特に危険です。濡れていると思って油断しないようにしましょう。車に外気温度計がついていたら、少し目安(摂氏0度付近以下かどうか)になるかも知れません。
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橋を通過するときは気をつけましょう。橋は凍りやすく、いわゆるアイスバーンになっているからです。道がアイスバーンでなくても橋の上だけアイスバーンになっていることがあります。
橋が見えたら事前に減速しましょう。橋の途中でブレーキを踏むと大変危険です。事前に減速です。できればシフトダウンで減速です。カーブになっている橋はとても危険なので、特に特に気をつけましょう。
アイスバーンの上に新雪が積もっていることがあります。深雪だからと思って、凍結していないと思って気を抜くのはやめましょう。
【経験】北海道で深雪なのにレンタカーが進まない(やや登り)ことがありました。車を降りて調べたら新雪の下はアイスバーンでした。これは意表を突かれました。登りだから良かったものの、気を抜けません。
 ■その他注意点
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・狭い道で離合するときは気をつけましょう。雪で側溝がわからず脱輪する可能性があります。歩道との境の縁石が積雪でわからずに乗り上げて動かなくなることもあります。
【聞いた話】JAFによれば、大雪のとき、雪で見えない側溝などに脱輪して動けなくなるケースは多いようです。

・雪道は慣れているからと過信は禁物です。路面状況やタイヤの劣化状況は変化します。

 ■終わりに
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狭い雪道で事故を起こすと皆の迷惑になります。
過去何回、車が流れず立ち往生したことか。
でも、自分が原因にならないよう注意したいものです。

 <雪道のいろいろな写真をどうぞ>
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チェーン規制

福岡県小石原村
2012.2

平野部の道は何ともなくても山間部は雪があります。九州でも雪があります。

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全面通行止め

福岡県みやこ町
英彦山登り口
2012.2

平野部の道は何ともなくても山は雪があります。九州でも雪があります。
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人があまり行かないような山は規制も何もありません。
なので注意が必要です。

山口県 2013.2
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雪深い所

自動販売機や電話ボックスが埋まっています。

島根県 2009.1
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でも道路は

除雪されています。幹線道路は比較的に運転が快適です。
雪深い所は意外と整備されて良いのですが、九州のように雪の少ない所ではまず通行止めになる可能性が高いです。

島根県 2009.1
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除雪しているけど

一部だけでこの奥には行けません。
雪を押しやった所が車止めになっています。

広島県 2007.2
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ワイパーを立てています

雪が一気に降りました。この車の人正解です。(左が私の車)
凍結によるゴム劣化防止で良いです。
ガラスにゴムが凍りついたまま、ヘタに作動してワイパーブレードやワイパーモータが破損するのを防ぎます。
【経験】ワイパーを作動したら一発でゴムが切れてしまいました。ゴムがやや古かったせいもあるでしょう。

福岡県 2003.1
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タイヤが埋まって

いるけど、スタッドレス履いていたら2駆でも動けました。

山口県 2014.12
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除雪車



山口県 2014.12
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高速道路除雪車

除雪した車線は快適でした。

山口県 2014.12
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塩化カルシウム
山口県 2014.12

凍結防止剤・融雪剤、他にも塩化ナトリウムもある。
道路管理者(国道では国土交通省の地方事務所)が設置。

散布は、基本的に道路管理者だが地元の関係団体や近隣住民に依頼してることがある。急な凍結や積雪時には使用可能。溶けるまで数十分かかる。速攻の滑り止めには砂の方が効果的。
なお、凍結防止剤は金属を錆びさせます。凍結防止剤が大量に撒かれている所を走行した後はできだけ早く高圧洗浄機などで洗車した方が良いでしょう。
【経験】私の場合、マフラーのタイコ(サイレンサー)部分からが錆びて腐り、はずれて車に引っかっかたまま、引きずって走行したことがあります。

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