見て歩き北九州発 野鳥
野鳥の識別と注意点
Jizz、注意点、例
 鳥の名前を知ることは楽しいことです。しかし中には似たような種があり、識別の難しいものがあります。このページは、識別に関して自分の記録として今までの経験やいただいたご意見などを備忘録としてまとめたものです。自分へ言っている言葉です。他の人の参考になればと願います。
■野鳥の識別
  識別は、全体の大きさ、全体的な特徴、細かい部分を精査し総合的に判断します。 ただし、ひとつの特徴は必ずしも絶対ではなく傾向にすぎません。

<Jizzによる識別>
Jizzとは、見た目の特徴となる要素を経験的に全体の雰囲気としてとらえること。 多くの図鑑や良質なネットにより数多く見ることにより、これができれば、良く似た種を感覚的に「違う!」と認識できる。
<たとえば>
トウネンのあらゆるバリエーションを数多く見て個体差を認識し、特徴となる要素を全体の雰囲気としてとらえることが出来れば、 ヨーロッパトウネンを見たとき「違う!」と認識できる。・・・ようです。
説明の写真
鳴いていないムシクイ類

鳴き声を聞けばわかりやすいのですが・・・

メボソムシクイ参照

■野鳥識別における注意点
  ●数少ない点で識別しないこと。
 ・尾が(初列風切)より長いとか、背が白っぽいとか、そんな点だけで判断するのは
  危険です。
  全く逆の鳥を見たことあります。ショックでした。
  部分部分は傾向ですが、以下の注意事項にもある理由で、逆になることがあります。

●色・形・姿勢
 ・幼鳥〜若〜亜成鳥〜成鳥の違い。
    亜成鳥はくちばしが短かかったり長さのバランスの異なる個体がいる。
    秋は成鳥に近い幼鳥が多いので注意。
    シギの背中のV字斑は幼鳥に多く見られ目立つ。
 ・換羽の時期などによる違い。
    羽は定期的(多くは夏から秋)に抜け換わる。春に部分換羽する鳥や
    夏羽冬羽がある。
    幼羽から成鳥になるときも抜け換わる。成長過程で第○回(夏・冬)羽という
    言い方がある。
    換羽中の個体は違って見えることがある。
    羽の磨耗や退色により別物に見えることがある。
      翼帯などは、決定打にならない。
    夏場の腹の羽毛の磨耗した個体は、脚が長くスリムに見える。
    タカ類の飛翔を識別するとき、翼先枚数については欠損を考慮のこと。
 ・見る環境の違い
    比較的大きな鳥でも遠くから見ると小さく見えることがある。
    鳥の色が周囲の色にかぶって違う色に見えることがある。
 ・亜種を考慮のこと。なお亜種は交雑があるので1つの亜種から別の亜種まで、
    ハーフ・クォーター・1/8・1/16・1/32・・とグラデーションのようにいる。

 ・初列風切の突出は、換羽が完全な個体での比較が前提。
 ・初列風切の突出は、傾向として成鳥より幼鳥の方が突出する。

●状態による違い
 ・寒いとき、羽毛を膨らませて丸くなる。大きさや形が違って見える。
    また羽毛を膨らませると、脚も隠れて短く見える。
 ・警戒のとき、首を伸ばして遠くを見る姿勢では、違う鳥のように見えることがある。
 ・水に浸かっているとき、脚の長さがわかりにくい。誤解しやすい。
 ・泥に立っているとき、足の曲げ加減が、大きく短く見える場合がある。
    泥が嘴や脚に付くと、あるいは付いて乾くと、太さや色が変わって見える。
 ・コンクリなど固い所に立っているとき、脚が真っ直ぐに長く見えることがある。

●声(重要)
 ・声を確認しよう。例えば似ているムシクイ類でも鳴き声は全く違う。
 ・飛び去るときに鳴く種類があるので聞き逃さないように。ムネアタタヒバリなど。

●環境や場所
 ・場所も識別の判断材料のひとつ。
   例えばチュウジシギは水のある所に立つことは少ない、ほとんどないくらい。
   ウミウは沖合いの海、カワウは川や河口、河口では海にいるからウミウではない。

●行動や飛び方
 ・姿を容易に現すかどうか。
   例えばムネアカタヒバリは全身を容易に出すが、
   セジロタヒバリは全身を出すことは少ない。
 ・波状飛行か直線飛行か、翼の羽ばたき方はどうか。飛び方に注意。
   ヒヨドリは波状飛行、ムクドリは直線飛行。チュウヒはV字飛行する機会が多い。

●写真
 ・1枚の写真では角度により太く見えたり細く見えたり、同定できない場合がある。
    違う角度の写真の枚数が多いほど識別には良い。
 ・写真の色はホワイトバランスや環境により変化する。当てにならないことがある。

いやいや大変です。なるべく多くを見て、Jizzができれば良いのですが・・・(^ ^;)ゞ


■識別具体例(比較的簡単なもの)
 
ウミウとカワウ、ただし遠くから見た場合はやや難しい。
オオハクチョウとコハクチョウ
チドリ類の識別
  シロチドリ、メダイチドリ、オオメダイチドリ、コチドリ、イカルチドリ
クロツラヘラサギとヘラサギ
ダイシャクシギとホウロクシギ
ツバメの種類

■識別の難しい鳥の例
  ムシクイ類、トケン類、ジシギ類、カモメ類、ホオジロ類の一部、オオルリとキビタキのメスあるいは幼鳥、ハクセキレイとセグロセキレイの幼鳥、 一部のメダイチドリとオオメダイチドリ、ヨーロッパトウネンとトウネン、冬羽のサルハマシギとハマシギ、アビ類冬羽 など

メボソムシクイセンダイムシクイエゾムシクイオオムシクイ
チュウジシギハリオシギ
ヨーロッパトウネン
キアシセグロカモメ(モンゴリアス)


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