見て歩き北九州発 野鳥 一覧 スズメ目ヒヨドリ科
ヒヨドリ 鵯 brown-eared Bulbul Hypsipetes amaurotis  
全長27.5cm 留鳥および漂鳥
生息場所:サハリン(樺太)からフィリピンまで、朝鮮半島や中国を含めて分布し、山や市街地にある林に生息する。一部は国内を移動するものもいる。九州では冬に多くなる。 習性:樹上性の鳥。飛ぶ時は波形を描いて飛ぶ。蜜を吸える数少ない鳥。集団で畑を荒らし害鳥ともされる。渡りのときは大群を作って日中に渡る。 声:「ピーイ」「ピーヨ」 出典:図鑑等へ

■雌雄 ほぼ同色
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良く見る鳥です。
「ピーイ ピーヨ」とうるさいです。特に冬場は九州は多いのでうるさいです。

筑紫野市 2007.2

Canon EOS30D + EF400mmF5.6
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幼鳥1

熊本県 2004.8

KOWA TSN-664 (20*W) + Nikon COOLPIX4300
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幼鳥2

少し育っていますが、首が細く、顔が成鳥とは異なります。

北九州市 2010.8

Canon EOS7D + EF600mmF4L * 1.4

■夏冬 同色
■特徴など
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桜に

ヒヨドリは桜の蜜が好きです。
ヒヨドリは他の鳥(メジロは除く)と違って、下の先端が枝分かれして蜜を吸いやすくなっています。

北九州市 2009.04
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くちばしが

花粉で黄色になっています。

北九州市 2005.2

SWAROVSKI STS80HD (20-60zoom) + SONY DSC-W1
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こちらも花粉で黄色

福岡市 2008.3
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実も食べます。

飛翔の姿もあわせてどうぞ。

山口県 2009.2


その他
ヒヨドリの採餌をどうぞ

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ヒヨドリの渡り

ヒヨドリの渡りはページ下部に詳しく掲載しています。

山口県 2009.10
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ヒヨドリの渡り2

ヒヨドリの渡りはページ下部に詳細。
この写真は、平尾台の上を渡っています。
いつもは川や海峡で渡りを見ますが、山で見るのも良いものです。

北九州市 2014.9

■亜種(国内)
H.a.amaurotis  亜種ヒヨドリ 北海道、本州、四国、九州等(下記以外)
H.a.squameiceps  亜種オガサワラヒトドリ 小笠原諸島
H.a.magnirostris  亜種ハシブトヒヨドリ 硫黄列島
H.a.borodinonis  亜種ダイトウヒヨドリ 大東諸島
H.a.ogawae  亜種アマミヒヨドリ 奄美諸島、トカラ列島
H.a.pryeri  亜種リュウキュウヒヨドリ 沖縄諸島、宮古諸島
H.a.stejnegeri  亜種イシガキヒヨドリ 与那国島を除く八重山諸島
H.a.nagamichii  亜種タイワンヒヨドリ 与那国島
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亜種リュウキュウヒヨドリ

かな? 沖縄なので・・しかしこの時期なら本土から渡ってきているヒヨドリもいるはずです。

亜種リュウキュウヒヨドリなら、胸は赤褐色です。

沖縄県 2008.11
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亜種リュウキュウヒヨドリ2

これは幼鳥のようです。
成鳥は褐色味が強く、胸には濃い帯模様があるようです。

沖縄県 2006.7
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亜種アマミヒヨドリ

全身が黒っぽい。


沖縄県 2006.7
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亜種イシガキヒヨドリ

全身が黒っぽい。 ・・・かな


石垣島 2017.1
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バフ変

薄いバフ色の個体バフ変(色素減少)が現れました。頬の茶色や目が黒いことからアルビノ(メラニンの遺伝情報の欠損)ではなさそうです。

長崎県 2017.4


その他
白変・バフ変・濃色化・黒化をどうぞ

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バフ変は低い所

最初は白変かと思いましたが、他の白変と見比べると薄いバフ色でした。
バフ変個体は低い所ばかり居ました。注意深そうでした。

長崎県 2017.4

 ヒヨドリは留鳥・漂鳥がいます。漂鳥は春と秋に九州と本州間を大移動します。
<命をかけた集団の渡り・壮大なドラマを展開>

 普段良く目にするヒヨドリ、実は一部が大きな群れで移動します。 秋に暖かい所へ南下し春は北上します。関門海峡では群れは大きい場合で1,000羽以上になることがあり、 ヒヨドリたちが近づいたり離れたり長く一直線のようになったり、その様子から「龍の渡り」とも呼ばれています。 関門海峡では春と秋で少しルートが違います。おそらく終結する林の関係ではないかと思っています。
 なぜ集団で飛ぶかというとハヤブサなどの天敵から襲われた場合、1羽の犠牲で他の仲間が助かるからです。 何とすごいヒヨドリの知恵でしょうか。 ヒヨドリは広い河口や海峡などを渡る場合、ハヤブサなどの天敵が怖いから、渡りを躊躇したりします。 1羽の犠牲が自分かも知れない・・・怖いから1羽が引き返すと皆が引き返します。 まさに命をかけた渡りです。引き返す姿にドラマを感じます。

 その天敵のハヤブサはヒヨドリの渡りを知ってて、集団に上から急降下してヒヨドリを襲います。 ハヤブサは水が苦手です。それをヒヨドリは知っています。 なので、ヒヨドリは水面すれすれに飛ぶことがあります。 水面すれすれに飛ぶとハヤブサは水に突っ込むことが怖くて襲えないのです。これもヒヨドリの知恵です。 津軽海峡では波が荒いときヒヨドリは波に当たって死ぬこともあるようです。 まさに命をかけた壮絶な戦いです。

 ハヤブサはヒヨドリを直接つかむことが多いですが、場合によってはヒヨドリを蹴落とします。 蹴落としたヒヨドリは水面でもがくのをハヤブサは捕まえますが、オスは体が小さくて持ち上げられない場合があります。 このときはメスが来て持ち上げたりします。時にはトビに持ちさられることもあります。
 親子のハヤブサがいたときには母親がヒヨドリを捕まえ、子どもに捕まえる練習をさせるため 逆さに飛びながら捕まえたヒヨドリを追わせるシーンを見たことがあります。 ハヤブサはハヤブサで大変なのです。 どちらも生きるため必死でその壮大なドラマが渡りの時期に見られるのです。

 なお、ヒヨドリを襲うのはハヤブサ以外にハイタカを見たことがあります。ハイタカは横から追いかけて襲いました。 また渡りのツミが襲うのを見ました。ツミは待ち伏せ型の狩で、ヒヨドリが終結する林に隠れていました。 さらに魚を食べるミサゴまでがヒヨドリを掴んでいたことがあります。そのミサゴをカラスが追いかけていました。 ヒヨドリの渡りは本当に命がけで大変です。
 そういうヒヨドリには「頑張れ!」と声をかけたい気持ちですが、一方ヒヨドリの渡りの時期に ヒヨドリが終結するポイント付近の方から「畑が荒らされて困る。ヒヨドリにはキャベツの芯まで食われる。」 という意見が聞かれます。こういうヒヨドリは害鳥でもあるので、素直に「頑張れ!」と言ってよいかどうか悩ましいところです。

 渡りは他にメジロ、カケスの渡りを見たことがありますが、小さな集団で渡っているので目立ちません。 そのほか、サンショウクイも群れで渡るのを見かけます。ひとつの群れで多いときで100羽くらいでしょうか。秋に毎年見られます。 日中に渡る他の鳥としては、ツルやハクチョウなど大型の鳥類、タカの渡りがあります。その他の鳥たちは夜渡っているものと思われます。 天体観測者から「カモが望遠鏡をよぎった」などと観察例があります。なお鳥目で夜は見えないというのは家禽のニワトリのことと言われています。
(2015/10 by Ada.)


<ヒヨドリの不思議>
・ヒヨドリはどのくらい移動するのか?

 どのくらい移動するかは分かってないようです。 沖縄本島に渡って来ると聞きますので、鹿児島−沖縄間で約660kmは移動するようです。 鹿児島から逆に660kmというと三重県あたりになります。 春に福岡県から朝鮮半島方面に海に飛び出した群れを見たことあります。
冬の北海道にはヒヨドリがいないかと思ったら、ヒヨドリはいました。 夏の九州にもヒヨドリはいます。数は冬に比べたら少なくなります。 渡りの集団はどこからどこまで渡っているか解明されていません。気になるところです。 分かっていることは北の個体群から渡るのではなく南の個体群から先に渡り始めることは調査されているようです。

・畑を荒らすヒヨドリは地つきの個体群ではなく、北からから渡ってきた個体群かも?という説

 上記の説を文書で見たことがあります。説では、北方から南下してきた個体群は、本来の生活の場である林には、地つきの個体群がすでにいるために入り込むことができず、仕方なく畑で農作物を食い荒らしている。らしい。被害が出る1970年以前は、ほかの場所から移動してきた個体群を、受け入れるだけの林があった。とか。


春の渡り 秋の渡り
2004春の渡り、他(九州から)

2009春の渡り、他(ハヤブサ確認)
2004秋の渡り(関門海峡1)
2007秋の渡り(関門海峡2)
2009秋の渡り、他(ツミ出現)
2010秋の渡り(ハヤブサの狩り)
2011秋の渡り(ハヤブサの教育)
2012秋の渡り(たくさん観察)
2016秋の渡り(雰囲気を)
2017秋の渡り(たくさん)
2018秋の渡り(ハヤブサが襲う)

説明の写真
ハヤブサがヒヨドリを襲う瞬間 山口県 2018.10

 動画もどうぞ 山口県 2017.10
 

 竜が如く 山口県 2015.10
 

 ハヤブサとヒヨドリ 山口県 2012.10
 

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